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資格に対するWeb制作現場の声

はじめに

まず最初にお伝えしておきたいのは、私自身は、このウェブサイトで紹介するような資格は持っていないということです。

しかし、Webデザインの資格を取ることは無駄である、と言っているわけではないので、その点は誤解しないでください。むしろ、Webデザインの資格を取ることは良いことだと思っています。もう少し正確にお伝えすると、「資格を取ることや資格を取るための勉強そのものが専門分野での高いスキルと知識を身につけることに繋がる」良いことだと思っています。

就職や転職活動で履歴書の資格の欄を埋めるための資格取得ではなく、Webデザイナーとして就職や転職をしてWeb制作の現場で働くために、Webデザイナーとして企業やユーザーにとって最適なウェブサイトを構築するために、専門的な知識や技術を習得するということは、とても価値があることで、そのための方法の1つとして、資格取得を目指すことはとてもすばらしいことだと考えています。

 

Webデザインの資格に対する私自身の経験

私自身は、Web制作に関連するような資格は持っていません。ただし、過去に「カラーコーディネーター」「ドットコムマスター」「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(旧MOUS試験)」の資格のための勉強をしたことがあります。カラーコーディネーターに関しては通信教育の講座を受講し、それ以外に関しては書籍を購入し、独学で各資格の勉強をしました。

カラーコーディネーターの資格は、結果を先にお伝えすると、試験を受けることをしませんでした。通信講座の教材を使い、全てのカリキュラムの中の7割ほどを勉強しました。3割は、ウェブではあまり必要としないテーマであろうと判断したからです。ウェブサイトのデザインも当たり前ですが「デザイン」ですので、「色」が重要になってきます。Webデザイナーとしてスキルアップするために、色に関する基本的な知識を学ぼうと思い、カラーコーディネーターの資格の勉強をしたのです。

当時は、WebデザイナーからWebディレクターへと業務の主軸が移り始める頃でした。また、小さい制作会社に勤めていたため、制作ディレクションやプロジェクト管理だけではなく、アートディレクションなどのデザインクリエイティブに関しても指示や管理をすることが多かったのです。デザインのクオリティを管理するディレクターの立場として、Webデザイナーと話をする時に、非常にこの知識が役に立っています。

勉強したことがそのまま制作への知識として役に立つ部分もあれば、デザイナーとコミュニケーションを取る上で役に立つこともあります。「もっとビビッドな色で、トーンを合わせた方がいいよね。」というような会話もスムーズに成り立つのです。その他にも、様々なWebサイトを研究する時も、「色」の使い方についての見方やサイトチェックから得られる情報もより有益なものになるのです。

資格を取得すること自体は、もともとそれほど考えていなかったため、結局は試験を受けることも、試験のための暗記などをすることもなかったのですが、「ウェブデザインのカラーリング」に関して、しっかりした形での知識やノウハウを持つことができたのです。

ドットコムマスターや、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(旧MOUS試験)の資格の勉強も同様で、インターネットそのものに対する基礎知識を持つことと、業務で使うワードやエクセルなどの基本的な操作ができるようになることを目的とした勉強でした。本当に役立ちそうな5割程度の部分だけを集中的に勉強しました。資格を取得することはまったく考えていなかったので、カラーコーディネーターの資格同様、試験を受けることはありませんでした。その手段として資格試験の勉強を取り入れたのです。

 

Web制作の仕事に資格は必要か

Web業界の就転職の際にWeb関連の資格を持っていると有利かどうかを、自分の経験、私の周りの制作会社で働く人々の意見、また、今は自分が面接をする方の立場としても就職希望者を見る立場、これらを踏まえてお伝えしたいと思います。

残念ながら「資格はあってもなくてもそんなに違いはない」というのが正直なところです。

Web制作会社は、企業のウェブサイトを制作する仕事ですから、クリエイターの採用で第一に求めるものは、やはりスキルと実績なのです。そのために重要なのは、資格ではなく、実際に仕事として企業のウェブサイトを制作してきた実績を示すことなんです。

実績というのは、実績をそのまま見せるのが一番早いわけですが、機密保持に関わる公開できない事例や情報なども多くあるため、実績だけで見えない部分をどう判断するかというと、面接の中での会話や職務経歴書、そして履歴書に書かれている資格などになってきます。

ウェブデザインやウェブサイト構築に対してどれくらいの知識や経験を持っているかを探るために、実績以外で一番早いのが、様々な質問をすることです。なので、資格取得が履歴書に書かれていること文字で判断するのではなく、それを参考に「◯◯企業のウェブサイトのカラーリングについてどう思いますか?」という質問をした方が、相手のデザイナーとしての能力を推し量ることができるのです。また、会話の中から、大切なコミュニケーション能力、人柄や人間性なども伝わってくるため、実績と会話が就職活動では、やはり大きなウエイトを占めてきます。

では、資格を取ることは完全な「無駄」かというと、そんなことはありません。確かに、就転職活動をする上での優先順位で言えば、実績を作品ファイルとして面接官にアピールすること、会話の中できっちりとアピールをすることがより重要になりますが、「Web制作に必要な知識と技術をきちんと習得する」ということに関しては資格はとても大きなことです。面接で、アピールすればよいのです。

「カラーの資格を得たことではなく、カラーの資格を得るための勉強というプロセスの中から◯◯や△△を得て、それが××のように役立ってきました。◯◯企業のウェブサイトはすばらしいと思いますが、一番素晴らしいのはカラーについてです。このウェブサイトのカラーは・・・」というように。

Web制作会社への就職活動にしても、履歴書の資格欄を埋めることにメリットはありません。しかし、裏付けされた知識と技術をしっかりとアピールするために役立ちます。そして、なによりしっかりとした知識と技術の習得のために、資格の勉強をするということは非常によいことなのです。つまり、Web制作の「仕事」のためには、とても役立つものです。

アプリケーションソフトの利用技術に関する資格、システムやネットワークなどに関する資格、ワードやエクセルなどのビジネス業務に役立つ資格、カラーなどのデザインに役立つ資格、そして最近ではWeb制作そのものに焦点を当てた資格なども出てきています。

繰り返しになりますが、「資格を持つ」ことではなく「資格を取れるだけのしっかりとした知識や技術を身に付けること」に意味があります。グラフィック系のアプリケーションの使い方、ビジネス文書系のアプリケーションの使い方、HTMLの記述方法などは、本当に奥が深いです。私自身も何年も仕事をやってきて、「えっ、こんな便利な機能があったの?」と驚くこともたくさんあります。知っていると知らないのでは、作業効率や問題解決のための選択肢の幅が、大きく変わってくるのです

私自身もそうでしたが、書店で雑誌などや資格の本などに目を通したり、まずは資料請求をして情報収集することから始めるとよいでしょう。様々な資格や検定があるので、自分の進むべき道にとって優先順位の高い資格の勉強をしていくことをオススメします。